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今日は山鹿市の北部、平山温泉のある” 平小城 ”地区にある「 阿蘇五宮神社 」にまつわるお話と、神社の紹介です。

阿蘇大明神により山を開き谷を埋めて土地を開かれた言い伝え

◎ 由  緒 ◎
延久八年十一月八日、同村の古城主、佐藤児次郎竹春之勧請すと伝わる。
叉、桓武天皇の延暦九年、国人瘡疸疥癬を病む者多く、男不耕、女は織らず、共に飢餓に及ぶ故、阿蘇大明神に祈る。
明神仮に一体に現れ、一夜の程に山の高きを開き、谷の深きを埋めてこの地を平かならしめ給うた。
故に「平山」と号し、かくて同所前川内に阿蘇大明神を祀ったとされています。

■ 祭 神 – 彦御子神
■ 合 殿
健磐龍神 / 比咩神 / 国龍神 / 比咩御子神 / 若比咩神 / 新彦神
新比咩神 / 若彦神 / 彌比咩神 / 國造神 / 金擬神
■ 境内神社 – 鎭札神社 [ 享保十八年京都吉田社に於いて祈禱ありし神札を納む。 ]

楼門も、大変立派ですね。

鳥居をくぐり階段を上がってすぐの両脇の灯篭の上の狛犬


此方には、明治41年7月に白髭神社と八幡宮を合併されている経緯があります。

この、「白髭神社」にまつわる伝説があります。

『 白髭明神と白髭淵のいわれ 』

前川内の阿蘇五宮神社には、白髭神社が合祀されている。
祭神は、相撲の神様としてしられる「ノミノスクネ」といわれ、例年命日にあたる九月十五日に奉納相撲が行われている。
「ノミノスクネ」が白髭をはやしていたことから『 しろひげさん 』との愛称があり水を司る神とされ、最近では、豊作祈願の祭りとなっている。
この白髭さんは昔は、湯山にあった。
河川改修で、美しく護岸工事が施された平山川の川岸には、昔はそれと偲ぶよすがはないが、湯山橋の上流には、深々と緑色の水をたたえ、白髭の淵があり、そのほとりに白髭明神の祠があった。
御神体は、この淵から竜宮に行き来した村娘のお玲さんが乙姫様から頂いたという絵像と二本の鉾であった。
昔は、大干ばつがあると、『風流』という行列がこの絵像と鉾を拝み、更に白髭明神に祈願すると必ず雨が降ったという。

『 お玲さんと竜宮の宮のお話 』

後川内に「お玲さん」という、親孝行で器量よしの娘さんがいた。
ある日、山へ薪を撮りに行った帰りに平山川の淵で顔を洗おうとしたはずみに、腰にさした小鉈が淵に落ちた。
深い淵の底に小鉈がきらりと光って見えた。
あの小鉈がないと、明日から薪とりが出来ない・・・・。
お玲さんは我を忘れて淵に飛び込んだ。

やっと、小鉈に手が届いた途端、、淵の水は急に渦を巻き始め、お玲さんは渦にスーっと引き込まれ気を失ってしまった。

なんどきたったろうか・・・。
ふと気がついたお玲さんは、あっと驚いた!・・・そこは、素晴らしい御殿だったのです。

「乙姫様がお待ちです。」
と、導かれたのは、豪華な大広間、侍女たちがずらりと並び、前には海の珍味が大きな皿に盛られている。
正面の一段高い玉座から乙姫様が、
「お玲さん、ようこそ竜宮へ・・・貴女の親孝行は竜宮にも聞こえています。それで、お招きしたのですゆっくりしてください」
そして大宴会が始まった。

飲むほどに酔うほどに賑やかになった。
見たこともない舞、聞いたこともない妙な音楽。
お玲さんは、夢に夢みる心地で、時のたつのもわからなかった。

こうして三日が過ぎ、四日目の朝、乙姫様は「お玲さん残念ですが、お別れの日がきました。竜宮の一日は地上世界の御一念になります。竜宮では三日以上、地上世界の人を泊めてはならないことになっています。お名残惜しいですが・・・」と一巻の巻物と、二本の鉾を取り出し、
「これは、白髭明神と云って水を司る神です。大干ばつがあって五穀が全滅するような事があったら、この神に祈願をかけなさい。必ず雨が降るでしょう。」と云ってところで、乙姫様の声が消えたとたんにお玲さんの頭はもうろうとなり、いつしか気を失ったしまいました。

ふと気が付くと、お玲さんは小鉈を落した淵のほとりに倒れていました。
家に帰ったお玲さんに村人はびっくりした。
もうお玲さんはこの世にないものと思って、いなくなったこの日を、命日にみんなが集まり三回忌の法要をしていたところでした。
話を聞いても、一座のひとは、信用できなかった。
しかし、持って帰った絵像の巻物と鉾が事実を物語った。
村人たちは、ちかくにお堂をたてて、白髭明神を祀った。

[ 平小城小・記念誌我らが母校より引用 ]

叉、この本殿の切妻には、龍の飾りがあります。

この龍の飾りにも、逸話があります。

『その昔、向かって右側の龍が、あまりにも生き生きと彫られているため
 その龍に命が宿り、夜な夜な川に水を飲みに出てきたのだそうです。
 困り果てた住民が、その龍の彫り物を釘で止めたところ、その後龍はパッタリと出てこなくなった』

というお話です。
確かになかなかの迫力のある竜の彫り物ですね~。

社殿周りの様子を写真にて


叉、こちらの楼門を通り過ぎて左手には、土俵が設けてあり、9月に子ども相撲大会も開催され、地元の子どもたちで盛り上がりますね。

平山温泉に入られた後、是非立ち寄られてみませんか~。

(余談)
白髭神社の祭神は『野見宿禰(ノミノスクネ)』と、伝承の部分で記載があります。
ただ、図書館で借りれた昭和28年に発行された「鹿本郡神社誌」の中のP22の「阿蘇五宮神社」の記載の中で、” 二、由緒 ”の部分があるのですが、この中で、
明治四十一年七月元無格社白髭神社(祭神塩土翁、字松山五三〇鎮座)及元無格社八幡宮(祭神譽田天皇、字丸山五一二鎮座)を合併
との記載があります。
ここでは、白髭神社の祭神は『塩土翁』となっていますね。

野見宿禰と塩土翁。

途中で変わったのでしょうか。

調べんものは、どんどん増えそうですね。

 

●この記事は、こちらの資料を参考・引用させていただきに記事にしてます
① 鹿本郡神社誌 / ② 山鹿市史 下巻 / ③ 平小城小学校 ” われらが母校 ”

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