記事の詳細

山鹿市の平山温泉で名の通る地域は、「平小城」と云う地区にあります。

以前、その平小城にある阿蘇五宮神社を、「阿蘇五宮神社と、白髭明神 [ 山鹿市平山 ]」として紹介しました。

今回は、その平小城地区にある、「小群阿蘇四宮神社」をご紹介します。

小群阿蘇四宮神社の場所はこちらです。

静かな竹林の中にたたずむお宮で、神秘的な雰囲気があります。


では、由緒についてご紹介します。

◎ 祭 神 – 比咩御子明神
◎ 合 殿 – 建磐龍神 / 比咩神 / 彦御子神
◎ 由 緒
天正元年11月6日、田上河内守と申す者の勧請なりと云う。
田上河内守は阿蘇公の弟にして、城村城主「隈部式部太輔親安」のとき来たりて、この小群村に在住せりと云う。
その子孫代々医業を職とし、明治初年頃医業を廃し、明治43年頃断絶せり。田上河内守の墓は今猶存せり。
大正3年12月字六郎丸511鎮座無格社 八坂神社(祭神-素戔嗚尊)を合併。

◎境内神社 – 菅原神社
※山鹿・植木神社誌より抜粋(平成24年八月発行)

さて、この小群阿蘇四宮神社には、次のような伝承があります。

安産の神様としての伝承

小群の阿蘇四宮は、安産の神様として信仰されていた。
それは、今から二百数十年前、享保七年(1722)に建てられた一対の石灯籠が物語ってくれる。

昔、山鹿湯の町をある托鉢の僧が通りかかったら、町の人が大勢集まって騒いでいた。
何事だろうと一人のお女中に聞いたら「この家のお嬢さんのお産がきつくて今にも死にそうだと苦しがっておられます」との事。
「それなら、ここから北西の方角に行くと、高い石段があり、その上に霊験あらたかな神が祀ってある。その下に綺麗な泉があるからその水を神に供えて、娘さんに飲ませたら安産疑いなし。」と言った。
お女中が、家の中に入り主人に話し、再び外に出てみると托鉢の僧はどこへ行ったのかその姿は消え失せていた。

お女中が教えられたとおり北西の方角へ辿り行くと、なるほど滾々と清冽な水がわき出ており、そこから高い石段が見上げられた。

一時でも早く、と石段を登ると、神さびた木立の奥に白木造りの質素なお宮があった。
汲み取った水を神前に供えて、お嬢さんの無事安産を祈り、急いで湯の町にとって返し、その水をお嬢さんに飲ませた。

しばらくすると妊婦の苦しみが治まり、おぎゃあと一声、玉のような男の子が楽々と生まれ出た。
その家の主は、早速お礼参りをし、石灯籠を奉献したとのことであるが、それが今、願主湯町小早川忠兵衛と刻字とある一対の石灯籠である。

その話が、この近隣に伝わり、小群には安産の神様がおられるといってひと頃は、参拝者が絶えなかったという事である。
その泉は、今でも懇々と湧き出ており、どんな旱魃の夏でも枯れることはない。


と云うような、伝承があります。

この写真の、左側にある灯籠ですね。

叉、こちらのお宮の近くにある竹林には、五輪塔や多室塔郡を一括して「といしさん」と呼ばれる場所があるそうです。

といしさん


※場所は分からなかったため、写真はお宮石段周辺の竹林ものです※

古老の話によると、昔、小群に疫病が流行した時、部落に散在していた多宝塔を一カ所に集めて祀ったという事です。

以前は、「といしさん祭」が盛大に行われていたそうです。
五輪の塔は、鎌倉時代のものと思われますが、高さが50センチ以下のものが殆どです。
宝塔の内一基は、五輪塔と云うべきですが、銘文に奉造立多宝塔一基とあります。
この塔が作られたのは、正応2年(約七百年前)7月1日としてあります。
塔身の四面には金剛界四仏(東-阿悶如来・西-阿弥陀如来・南-宝生如来・北-不空成就如来)の種子(古代インド語で、1つの文字が仏菩薩を表す)が刻んであります。
高さは約126センチです。
宝篋印塔が一基ありますが、これも塔身に金剛界四仏の種子が刻まれています。
造塔は、延暦2年(1203年前)11月9日と刻んであります。
他に、二基の宝塔がありますが、塔身だけしか残っていません。
叉、ここには高さ1.8m、幅1.2mの板碑もあります。
正面には阿弥陀如来を表す梵字と南無阿弥陀仏の文字が刻まれ、裏面には永禄4年(四百年余り前)11月28日と記されています。
肥後国誌小群の項に、「弥陀堂ノ前ニ古石碑アリ」と、あるのはこの板碑のことでしょうか。
しかし、弥陀堂や大小合わせて約30基の五輪塔・宝塔はどこにあったのかは未だ明らかではありません。


このような、「といしさん」についての記述もあります。

未だ、このといしさんと云われる場所は、私は見つけておりませんが、再び調べてみたいと思っています。

私は、この小群神社の近くに住んでいませんが、時々行きたくなるのですよね。
静かで好きな場所です。

ではでは~。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


カレンダー

2019年8月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
ページ上部へ戻る