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「ふるさと山鹿」の本を参考に、いろいろと巡っているのですが、山鹿市三岳も色々と面白い場所がお送ります。

さて、今日はその三岳地区の震岳のふもとにある「白山権現堂」のお話です。

場所は、こちらです。

一枚の地図から・・・・

ふるさと山鹿の本の中に、一枚の手書きの地図がありました。
多分、この「明星寺跡と津留山城址」の項を書かれた方が書いたものでしょう。
その地図を手掛かりに、地元の方などに話を伺い「白山権現」へ行ってきました。


グーグルマップには道がありませんが、この「大門」という地区にこのように山道に入るところがあります。
道の両脇に石碑があるのでわかるかと・・・・わかるかな?

山道をひたすらに上ると、左右に分れ道となりますが、その分かれ道の正面の小高い丘に権現堂はあります。


地元の方々の手入れが行き届いており、大変綺麗にされていました。

ここからは、写真でご紹介。

さて、写真を一気にアップして説明を端折ったかといいますと、

この白山権現のお話のほうをお伝えしたかったからなんですね~。

明星寺跡と津留山城址

この、白山権現が建てられる前は、大昔、明星寺というお寺がありました。
今は、白山権現のお堂が建っていますが、このお堂には、古くなって目も口もはっきりしない高さ30程の「虚空蔵菩薩」と言われる古い木像と後になって祭られたと思われる白山権現の木像が祀ってあります。

この虚空蔵菩薩の木像は、今から千二百年ほど前の神亀天平の頃、第四十五代聖武天皇の御代に、名僧行基大僧正が、筑紫に下向された時に、ご自分で彫刻された木像さんと言われている大変古いものであります。
明星寺の本尊としてお祀りしてあったものでしょう。
また、このお堂の西方約五十米ほど行ったところに、直径5糎程の平たい小石に、お経の字を書いて納めたものといわれる一字一石塔の跡があります。
数百個の小石を一か所に納めて塔が建っていたものと思われます。
今は、山の中の地面にそのまま石だけが置いてあり、文字も見えませんが大変珍しいもののようです。

明星寺が栄えた頃の事

この、明星寺が栄えた頃と思われますが、下の大門という地区には薬師堂があって、お薬師さんをお祀りしてありました。この頃に使われたといわれる「鰐口-わにぐち-(鐘)」が今でも残っているそうです。
この鰐口には、「天応二年(文応かも?)」願主元吉公という銘が入れてあり、大変古いものです。

あと、平安時代になって、この明星寺の丘の南の方200メートル程離れた丘の上に、「津留山城」がありました。
その頃、「摂州豊島郡(兵庫県)」に宇野讃岐守親弘という人がいました。
その子、宇野七郎親治は、保元の乱で敗れ、捕えられて菊池氏に預けられ、その後家臣となりましたが、まもなく「尾登利」の荘の長官に任ぜされました。
当時、尾登利の荘というのは、「杉・石村・平山・小群・城・津留・寺島・小坂・岩野」等、十八ヶ村をまとめた荘園でありました。
親治は、この尾登利の荘の中心で、要害の地、津留山に城を築いて領地を治めたものと思われます。

その後、豊臣の時代に・・・・

その後、豊臣秀吉の時代になりますと、この城には「 芋生摂津守 」が城主になり、この地方を治めていたようです。
摂津守は、後では「芋生(鹿北町)」に住んでいたようですが、明星寺が芋生氏の菩薩寺であったのでしょう。
芋生氏一族のお墓という十数基の五輪塔が残っています。
その中の一基には、「 浄泉信女 」という法名と、「 芋生式部守〇〇 」「 天正十四年三月 」
と刻んであり、式部守の娘の墓を言われています。

明星寺のある丘と、西の方の宮地嶽をお祀りした丘の間は、「 古城谷 」といって小さな谷川が流れています。
この谷川の中ほどに、直径1メートル、厚さ40センチほどの花崗岩で作った粉ひき臼の一個が、杉の根っこに挟まれ引っ掛かり、谷川の清水に洗われています。
この山の中に粉ひき所があったかと思うと、この丘に一帯は、お寺が栄えた時があったり、お城があって繁盛したりしたところだったと思われます。

また、この地は、山鹿から岩野川の東岸を通って鹿北町や菊鹿町の相良に通ずる交通路の要点でもあり、鹿北の山地から山鹿平野に出る軍事上の要害の地であったことを思うと、昔からお城を築いて市民を守っていたものと思われます。

(※ 上記は、ふるさと山鹿 p74 より引用しています。)

面白いですね〜。

地域の方々が綺麗に手入れをされ、大切にされてる場所なんですね。

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